PR/広報の現場から「企業価値」を創造する!「PR式経営」でススメ

clock 2026.02.09
PR/広報の現場から「企業価値」を創造する!「PR式経営」でススメ

経営の意思決定も、事業の打ち手も、きちんと考えている。

それでも、「なぜか評価につながらない」「思ったような共感が得られない」と感じる場面は少なくありません。広報/PRの現場でも、「伝えているはずなのに、会社の意図が正しく受け取られていない」という違和感を抱くことが増えています。

こうしたズレは、表現や発信量の問題ではなく、そもそもPRをどこに位置付けているかその前提に原因があるのかもしれません。

本記事では、PRを“伝えるための手段”ではなく、“経営と社会をつなぐ実務の視点”として捉え直す考え方を紹介します。日々、経営・事業・広報の間で調整を重ねている実務家にこそ、一度立ち止まって考えてみてほしいテーマです。

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目次

  1. 1.「PRは広報部だけの仕事」という思い込みを捨てる――広報部こそ、PRは広報部だけの仕事と思っていませんか?
  2. 2.PRとは「発信」ではなく、「関係性をマネジメントすること」
  3. 3.「広聴・広報・広益」――PRを経営の循環に組み込む
  4. 4.「PR式経営」がもたらすメリット
  5. 5.視座を高め、情報を起点に会社全体を動かす
  6. 6.書籍のご紹介

「PRは広報部だけの仕事」という思い込みを捨てる――広報部こそ、PRは広報部だけの仕事と思っていませんか?

・「いい戦略を立てているのに、なぜ評価されないのか」
・「事業としては間違っていないはずなのに、社会の見方が厳しい」

こうした違和感を抱いたことのある経営者や経営企画、広報の方は、少なくないはずです。
さらに、広報の現場にいる人からは、こんな声も聞こえてきます。

・「経営層の考えや方針が、うまく社内外に伝わらない」
・「広報として発信しているのに、自分の会社の“らしさ”が伝わっている実感が持てない」

こうした違和感を抱いたことのある広報部の方も、決して少なくありません。経営は「きちんと考えている」のに、広報は「きちんと伝えているつもり」なのに、なぜか評価や共感につながらない――。

その原因は、スキルや努力不足ではなく、「PRをどこに位置付けているか」にあるのかもしれません。市場環境は不確実性が増し、企業を取り巻くステークホルダーはかつてないほど多様化しています。

株主、顧客、従業員、就活生、地域社会、行政、メディア――。

企業は、「誰に、どう思われ、どう行動してもらいたいのか」を、これまで以上に問われる時代に入っています。こうした状況に対して本質的な示唆を与えてくれるのが、書籍『PR式経営』です。本書が提示するのは、「PRを“伝えるための手段”ではなく、“経営そのものを前にススメる視点”として捉え直す」という考え方。

ここでは、その中から印象的なエッセンスを紹介します。

PRとは「発信」ではなく、「関係性をマネジメントすること」

複雑化する現代において、企業が持続的な成長を遂げる鍵は、ステークホルダーとの間にいかにして良好な関係を築いていくかにありますまさに、公衆(パブリック)との、関係性(リレーションズ)をマネジメントすること。それは、PRの本質だと言えるでしょう。

PR(パブリックリレーションズ)は日本においては「広報」と省略され表現されるケースが多いのですが、この本では、より本質的・実務的に考え、「ステークホルダーの期待や不安を捉えること」と定義しています。

そして、そのステークホルダーの期待と不安を、「捉え」「伝え」「応える」ことで、企業の将来価値を効率的に高めることを「PR式経営」と位置付け、提唱しています。

ポイントは、「まず伝える」のではなく、「先に捉える」ということ。

企業側が言いたいことを発信する前に、

• 誰が、何を期待しているのか
• どこに違和感や不安を感じているのか

を丁寧に読み取り、そこから経営戦略や事業活動、メッセージを組み立てていく。

この姿勢は、広報部門だけの話ではありません。むしろ、経営判断そのものに組み込むべき視点として提示しています。

「広聴・広報・広益」――PRを経営の循環に組み込む

本書では、 PR(パブリックリレーションズ)を3つの機能に分解しています。

広聴(インテリジェンス):捉える
期待や不安を洞察・深掘りし、ファクトを創り出す

広報(インフォメーション):伝える
企業姿勢を社会に発信し、Keyステークホルダーとの関係性を深める

広益(インパクト):応える
社会やKeyステークホルダーの意識と行動にポジティブな変容を促す

重要なのは、この3つが循環する設計になっている点です。

例えば、

• 人材戦略を強化しているつもりでも、就活生の不安を正しく捉えられていなければ、評価されない
• 環境配慮を打ち出しても、ファクトが伴っていなければ「〇〇ウォッシュ」と見なされる

こうしたズレは、「広報が弱い」のではなく、広聴や広益まで含めた設計がされていないことから生まれます。「PR式経営」は、この循環を全社・CxOレベルで回すことを提案しています。

「PR式経営」がもたらすメリット

「PR式経営」では、高めるべき企業価値を「経済的価値」と「社会的価値」の2軸で捉えています。
売り上げや利益、ROE(自己資本利益率)といった財務指標である「経済的価値」はもちろんとても重要です。しかし、昨今の先行きが全く見通せない時代においては、財務指標のような、いわば、過去の成績や結果だけでは、企業の将来価値を語れなくなっています。

• この会社は、社会にとってどんな存在なのか
• 信頼できる企業なのか
• 一緒に働きたい、応援したいと思えるか

こうした評価は、数値化しづらい一方で、中長期的には確実に企業価値に跳ね返ってきます。

これらの評価は、「社会的価値」として捉えられ、その中でも未来を知る手掛かりとして、人的資本社会・関係資本等を含む「非財務情報」が注目されています。

こうした社会的価値「非財務情報」がステークホルダーに伝わることで企業の魅力が高まり、さらにその魅力が「購入」「投資」「就職」といった行動に好影響を与えることも、調査データで示されています。

本書では豊富なデータに加え、CxO(経営者)インタビューや成功事例を交えながら、これからの経営に求められるPR(パブリックリレーションズ)の本質を提唱しています。

視座を高め、情報を起点に会社全体を動かす

ここまで見てきたように「PR式経営」とは、派手な情報発信でも巧みな表現でもありません。
重要なのは、ステークホルダーの期待と不安を正しく捉えること。そしてその情報を、
経営と事業の意思決定へとつなげていくことです。

「PR式経営」では、企業が持つべき基本的な視座として、

グローバル視座(海外市場・価値観の違いを前提に捉える)
ポリティクス視座(社会課題・政策環境から企業を捉える)
リスク視座(評判・レピュテーションも含めて先回りする)

を掛け合わせる重要性を示しています。

これらの視座を持つことで、

• 今の意思決定が、未来の信頼にどう影響するか
• この打ち手は、社会からどう見えるか
• どのステークホルダーの期待を強め、どの不安を増幅させるのか

といった問いを、経営や事業に投げかけられるようになるはずです。

広報部門は、会社の外に向けてメッセージを届けるだけでなく、会社の内側の意思を言語化し、行動をそろえ、社会との関係性をつくっていく仕事です。

情報を起点に、部門をまたいで動く。時に経営に耳の痛いことも伝える。「今世の中で起きていること」を社内に翻訳し、次の一手につなげる。

それは、単なる調整役ではありません。

PR(パブリックリレーションズ)の考え方を社内全体に浸透させ、会社を前にススメる役割であると考えます。

日々、社会の温度を感じ、ステークホルダーの変化を見て、情報の届け方を考え抜いているPR/広報の仕事を、企業価値向上のど真ん中へ。PR/広報が情報を起点に、会社を前へ未来へススメていきましょう。

書籍のご紹介

ここまで紹介してきた視点や考え方を、調査データ・理論・企業事例・CxOインタビューとともに体系化した一冊が、『PR式経営 パブリックリレーションズで創る企業価値』です。

PR/広報担当者はもちろん、経営者、CxO、経営企画、IR、人事、マーケティングに関わる方にとっても、「これからの企業価値のつくり方」を考えるための実践書となるはずです。

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■書籍名:PR式経営 パブリックリレーションズで創る企業価値

■編著者:企業広報戦略研究所(電通PRコンサルティング内)
     経営やPR/広報の専門家と連携して、企業の広報戦略や体制などについて調査・分析を行う電通PRコンサルティング内の研究組織。2013年設立(所長:阪井完二)。
     https://www.dentsuprc.co.jp/csi/
     (執筆者:阪井完二、末次祥行、増田勲、戸上摩貴子)
■定価 :1,980円(本体1,800円+税)
■発行日:2026年1月8日
■発行 :株式会社日経BP
*詳細・ご購入はこちらから(全国主要書店・オンライン書店で購入可能です)
日経ブックプラス: https://bookplus.nikkei.com/atcl/catalog/25/12/15/02385/
Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/429620873X/ref=nosim?tag=nkbookplus-22
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「PRを、経営の中心に据える」という選択。その意味を、ぜひ本書で確かめてみてください。

※引用されたデータや状況、人物の所属・役職等は本記事執筆当時のものです。

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