はじめに
さらなる環境変化が激化すると予測される2021年の企業コミュニケーション。
電通PRソリューション局(以下、電通PRS局)と電通PRは、今年2月12日に電通グループ社員を対象とした、「2021年PRトレンド予測セミナー」をオンラインにて開催いたしました。
セミナーのメイン企画、ジャーナリストの古田大輔さんをお迎えした、「PRトレンド予測セッション」では、幅広い視点からの質問も活発にあがり、盛況なセミナーとなりました。本レポートでは、その「PRトレンド予測セッション」のポイントをお伝えいたします。
PRトレンド予測セッション ポイントまとめ
ゲストにインターネットメディア「BuzzFeed Japan」の創刊編集長を務め、現在Google News Lab のTeaching Fellowとしてもご活躍のジャーナリストで株式会社メディアコラボの代表・古田大輔さんをお迎えし、ニューノーマル時代のPRのポイントや、視聴者からチャットなどで寄せられた質問に対し、古田さんにご回答いただきました。
トピックス:ニューノーマル時代のPRパーソンが覚えておきたい9つのキーワード
1.社会問題や政治的問題について企業が情報発信を行う際のポイント
意識高い系を狙った実を伴わない情報発信は、ウォーク・ウォッシングとして批判の対象に。
2.発信した情報が、SNSなどで批判を受けたり、『炎上』と報道された時の対応ポイント
議論・論争≠炎上の認識を、事前に内部で意識共有し企業の確固たる姿勢を示す。
3.ウォッシュを警戒するあまり、情報発信に後ろ向きになりがちな企業へのアドバイス
引いた姿勢がかえって悪目立ちすることも。一歩前に出るためにも実のある取り組みを。
4.商品コミュニケーション活動の「利益<人道」をPR視点で読み解くと?
企業のパーパスあっての行動、ただし絶対主義はないことに留意。
5.LGBTQの推進において企業内部で進めるべきはじめの一歩とは
制度・体制づくりとともに、当事者が心理的ハードルを感じない企業文化づくりが重要に。
6.Z世代をターゲットとしたアプローチとは
Z世代は1:99に二分化される。目立っているのは1%。旧来のメディアの力が及びにくい世代、新しいやり方が必要。
7.今年話題のClubhouseをどう捉えているか
100人単位のコミュニケーションツールとしては有効、マス・マーケティングのツールとしては不十分。
8.Twitterで盛り上がったことが世論になりがちなことについて
Twitterの声=世論ではない。あくまでインターネット上の可視化された声の一つ。
9.クライアントとのBuzzに関する共通認識の持ち方は?
コンテンツ・ディストリビューション・エンゲージメントの3つの戦略を最初に握ることが肝要。
古田さんによる2021年PRトレンド予測
私は、デジタルメディアの分水嶺は、2016年にあったと考えています。米国大統領選挙でフェイクニュースが現象化し、それまでのSNSでコンテンツを可能な限り広範囲に拡散させるという考えから、エンゲージメント構築とそのためのより精緻なマーケティング技法が求められるようになりました。コロナ禍の2020年は、その流れがさらに加速した年だといえるでしょう。
すべてはその流れの中で起きており、技術と分析手法、戦略の進化で加速しています。企業がその流れを捉え、コミュニケーションの本質を踏まえた活動を蓄積してきたのか、2021年はその答え合わせの時期になると思っています。勝ち組、負け組がよりはっきりとする年になるかもしれません。
(監修・協力=ジャーナリスト・古田大輔)
最後に:電通グループ ソリューションのご紹介
今回のセミナーでは、今後のマーケティングやPR活動には、自社のパーパスや倫理観の明確化、そして変化する社会環境の中で多様化する生活者インサイトをつかみ取り、エンゲージメントを構築していくスキルが必要であることが示唆されました。これらの示唆を踏まえ、2つのソリューションをご紹介します。
電通グループ SDGsビジネスソリューション
国内電通グループ各社と「Material ConneXion Tokyo」によるサーキュラーエコノミー支援プログラム。
サーキュラーエコノミーに関連する、事業戦略策定から素材選定、資源調達、デザイン、製造、サービス開発、回収リサイクルまでバリューチェーン全体のコンサルティングと、各プロセスにおける戦略的なコミュニケーションのサポートを提供。
https://www.dentsu.co.jp/news/release/2020/1116-010281.html
電通PR『News Value Sprint』ワークショップパッケージ
電通PRと、インサイトリサーチによるアイデア開発支援を手掛ける株式会社デコムによる、最短距離でニュースバリューを最大化するオンライン研修プログラム。
デコムが得意とする“n=1”の生活者起点のインサイト発掘法と、電通PRが得意とする“世の中”視点で社会の関心を高める「コアアイデア」を創出する思考法を融合し、「生活者インサイト発掘→生活者に提供する新価値創造→コアアイデアの創出」のプログラムを1日で完結。既存ブランドや製品の“意味をリニューアル”することで、新しい価値を見いだすメソッドが習得できる。
https://www.dentsuprc.co.jp/releasestopics/news_releases/20201225-2.html