
近年、熊本県のマスコットキャラクターくまモンは、こどもから大人まで、全国で人気を集めている。電通九州とその姉妹エージェンシーである電通PRは、くまモンを起用したアイデアを考案した。
「美味しいものを食べるとほっぺが落ちる」という日本特有の表現を使い、”くまモンが、熊本県の美味しい赤い食べ物を食べたために、ほっぺを落としてなくしてしまった“というストーリーを作った。熊本県知事自らもこのキャンペーンに参加し、記者会見では、くまモンのほっぺがなくなったことを神妙な顔つきで発表した。東京の銀座、渋谷などでは、通行人にチラシが配られ、一般生活者にほっぺ探しを手伝ってくれるよう訴えられた。


TVや新聞などのニュースメディアを巻き込みながら、同時に、ソーシャルメディアやオフィシャルウェブサイトなども活用してキャンペーンは展開された。キャンペーン開始後、くまモンのTwitter、Facebookのプロフィール写真は、ほっぺがなくなった顔写真に置き換えられ、ほっぺ探しのプロセスが更新されていった。また、警察署にほっぺの紛失届を出すなど、ソーシャルメディアで拡散されやすい絵作りも行われ、生活者の関心を惹きつけていった。

このキャンペーンにより、23のテレビ番組、新聞掲載30件、400以上のウェブサイトがこのストーリーを紹介。熊本県が赤い農産物をはじめとした食糧の生産地であるという情報が広く伝わった。キャンペーンの主な活動は2013年の最終四半期に実施されたのにもかかわらず、2013年のくまモンブランドの食品の売上は10%伸びた。また、「ありがとまと」100箱のプレゼント募集に対し、10,000件以上の応募が殺到。2012年には、熊本県のメージカラー1位であった「緑」が、2013年には「赤」になった。熊本県の地元紙『熊本日日新聞』は11月9日号で「ほっぺをなくすという奇抜なPR戦略はひとまず成功を収めた格好だ」と報じ、熊本県の人々も、熊本県庁のPR努力を認知することになった。

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