
2016年4月に発生し、甚大な被害をもたらした熊本地震。その復興を支援すべく、富山県にあるダンボールとパッケージングの専門会社であるサクラパックスは「熊本城」の復旧を中長期で支援する仕組みとして「熊本城 組み建て募金」を開発した。
「熊本城 組み建て募金」とは、「2,000円のダンボール熊本城を買う→組み立てる」ことで熊本城のためにお金を使い、さらに組み立てる時間を熊本城のために使い、家に飾ることで風化を防ぐ仕組みのこと(全額寄付金に充当)。ダンボール会社ならではのソーシャル・コミュニケーション活動として実施し、1,100万円超の募金を達成。熊本を想う時間は、3,700時間に達した。

サクラパックスは、2011年の東日本大震災を機に企業観が変わり、経営理念「ハートのリレーで笑顔を創り、世界の和をつなぐ」の下、
同震災でもさまざまな支援を行ってきた。
サクラパックスでは、一地方企業として、同じく一地方である熊本のために、自社の得意分野で何か力になりたいと考えた。
震災前からOEM商品としてダンボール素材で熊本城を組み立てるキットを手がけていた資産を活かし、熊本にとって心の拠り所である「熊本城」をモチーフに、電通PR/電通/ミツイと協業してPR視点に基づいた「支援したくなる仕組み」で一時的でなく、長期間にわたって熊本と熊本城を支援する取り組みを考えた。
① OEM商品で持っていた熊本城のダンボール組み立てキットを、「熊本城 組み建て募金」と名付けて販売(1個2,000円)。
売上金は全額、熊本城の復旧のために寄付する仕組みを発案。
② 仕上がり8センチ四方の精巧なダンボール熊本城を作るのにかかる時間は、平均37分。この37分を「熊本(城)のことを想う時間」とした。
また、完成したダンボール熊本城(手のひらサイズ)は、気軽にオフィスや自宅に飾れるサイズ感で参加者の生活に入り込むことで、熊本城復興の風化を防ぐ“役割”を担った。一般的な寄付のようにお金を募金箱に入れる一回の行動やワンクリックで支援を完了とせず、「支援とは、時間をかけて行うものだ」と気づかせ、共感を抱きやすく、参加しやすい寄付設計にした。
③ 震災1年後の報道機会を狙い、2017年4月に東京・六本木で「熊本城 組み建て募金展」を実施。ただし、このタイミングでは、都内主要メディアは現地の復興状況を直接取材に行っているケースが多く、イベントそのものの取材動員は期待できないと予測できた。そこで、分散型メディアを効果的に活用しようと、「熊本城 組み建て募金」のコンセプト動画およびイベントの模様を撮影・編集した動画を制作し、公開。分散型メディアを通じて生活者に「熊本城 組み建て募金」の浸透を図った。
2017年2月:「熊本城 組み建て募金」の仕組みを構築
同4月11日 :「熊本城 組み建て募金」開始。コンセプト動画公開。
同4月16日 :六本木ヒルズ大屋根広場で「熊本城 組み建て募金展」を実施。分散型メディアを通じて、じわじわと話題化に成功
同8月 :熊本県知事と面会。
同10月 :グッドデザイン賞2017受賞。「グッドデザイン・ベスト100」選出。
2018年3月:オリジナルパッケージでソラシドエアの機内販売開始。
2018年3月現在:販売、継続中。

■認知度UP :
コンセプト動画は、タレントなどが一切出演していないにもかかわらず、分散型メディアで100万回以上の再生を突破。
同動画に対するリアクションは、8,300件以上、シェア1,200件以上。その90%以上が好意的なコメント。
動画の話題化を契機に、200件以上の媒体に露出。
<ソーシャルメディアコメント例>
「素晴らしいアイデアだと思います。復興支援を実感できますよね」「募金はなんか恥ずかしい。でも、これなら買える」「募金しやすいアイデアだと思います」
「購入(^^)v 応援になればいいな。熊本観光もしたいです!」「若ければ、このような会社に就職したかったです!」
■募金額UP :
・ 「熊本城 組み建て募金展」(4/16 11:00~17:00)には、約1,500人が参加。
・ 国内だけでなく、台湾や香港など、10の国と地域から注文が殺到し、当初予定の160%を売り上げ(売上個数6,000個)、募金総額は1,100万円超。
「熊本(城)のことを想う、総時間」は、3,700時間に上った(2018年2月時点)。
・ 2018年3月より、オリジナルパッケージでソラシドエアの機内販売開始。販売開始から1年を前にさらなる広がりを見せる。
<4/13 六本木でのイベント参加者のコメント>
―埼玉から訪れたパパと10歳の女の子「妻の実家が熊本で、この子はきれいな熊本しか見たことがなかったんです。
今回の震災で傷ついた熊本城が『早く直ってほしい』という思いで、参加しました」(パパ)
「意外と難しかったけど、紙で熊本城を作るのは楽しかったです。本物の熊本城は、早く直ってほしいです」(女の子)
―デート中の外国人カップル「地震の多い日本。福島も熊本も、早く復興してほしいという想いを込めて、このダンボール熊本城を買いました」
■付随的な成果
サクラパックスの企業レピュテーションが向上(就職希望者120%、協働依頼20件、講演依頼5件)。
グッドデザイン賞2017受賞。「グッドデザイン・ベスト100」選出。

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