「話題づくり」から「価値づくり」へ
新たなメディアが次々に登場している昨今、
そのすべてに広報部門が対応し、
「話題づくり」を行っていくという
従来型の広報・PR活動だけでは、
環境の変化に対応するのは難しくなっています。
従来から広報・PR部門は、
“情報”という武器を活かし、
重点ターゲットであるステークホルダーからの
期待や不安を的確に捉え、
先読みし、社内に還元する活動を行ってきました。
今後はさらに、社外とのシナジーを生み出し、
企業の「価値づくり」をプロデュースしていく。
そうした思考が、これからの広報・PR部門には
必要不可欠となります。
「話題づくり」から「価値づくり」へ。
価値づくりをリードする戦略広報への変革によって、
“パブリックリレーションズ”としての
広報活動を強化し、社会課題に向き合い、
新たな社会課題を具現化していく活動が今、
求められています。
なぜ、価値づくり広報か?
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背景1
情報の“賞味期限”の短期化と
情報流通構造の変化
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情報量に制限のないウェブニュースや、動画共有サイトの増加で情報発信量は飛躍的に増加しました。メディアやデバイスも多様化し、情報の受け手は、四六時中情報に接触できます。膨大な情報が流れる毎日で、情報の「消費期限」は極めて短くなっており、一過性の話題を提供しても埋もれてしまいます。
さらに情報流通構造は、メディアの多様化と、生活者側の情報入手方法が能動的なスタイルに変化し、複雑化を極めています。このような時代に、情報の歩留まりを高め、生活者の共感を得るためには、ファクトの伴った誠実なコミュニケーションが求められます。
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背景2
ESGの本格普及
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当研究所の調査によれば、投資を考える際に、企業のESG(Environment, Social,Governance)に対する取り組みを考慮する人は77.6%に達しています。企業の価値を評価する尺度として、ROE(自己資本利益率)などの経済価値を測る指標はもちろん大事ですが、中長期的な投資先として評価され続けていくためには、非財務情報の発信も不可欠です。
企業の伝えるべき非財務の“価値”としては、「社会価値」の重要度が増していると考えられるでしょう。
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背景3
株主資本主義から
ステークホルダー資本主義へ
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米国の経営者団体「ビジネスラウンドテーブル」が、株主第一主義から「ステークホルダー資本主義」への転換を宣言しました。
当研究所の調査でも、広報担当者に「重視するステークホルダー・ターゲット」を問う設問(複数回答)で、2014年の調査以来はじめて「国内メディア」が4位に順位を下げた一方で、「従業員とその家族」「就活生・学生」「地域住民」の順位が大きく上昇しています。広報・PR活動におけるミッションが、メディアを通じた「話題づくり」だけではなく、重要なステークホルダーとのよい関係性づくりに変化してきています。
PR/広報部門の活動の中心は
「話題づくり」から「価値づくり」へ
企業を取り巻く環境の変化に伴い、
メディアを通じた「話題づくり」から、
重要ステークホルダーの声に耳を傾け、
社会性をもった自社の価値ある
ファクトの発信を通じて、
社会との関係づくりを行う「価値づくり」が、
企業の価値向上に必要となっています。
価値づくりの情報発信に
つながるファクト
「Social Value」
「価値づくり」を行う上で、
当研究所では企業が情報発信をすべき価値を
「ソーシャルバリュー(社会価値)」と捉え、
「企業価値向上と、
社会の持続的成長の両立を目指し、
独自の資産・事業・理念で社会課題解決に
挑戦することで生み出す新たな価値」
と定義しています。
世の中のさまざまな社会課題から
重点ステークホルダーが
共感する課題を抽出し、
その解決を実現する取り組みが、
新たな社会価値(ソーシャルバリュー)の
創出につながります。
社会課題と企業の実力を掛け合わせ、
社会価値を創出し、
ステークホルダーにとって魅力的な企業へ
ヒアリング個票(イメージ)
・自社の最近の動向に対する評価
・業界全体動向に対する見方
・自社における将来展望
・自社(あるいは業界各社)に期待すること
・最優先に取り組むべき社会課題
など