企業広報戦略研究所(所長:阪井完二、株式会社電通PRコンサルティング内)は、従業員300人以上の株式会社に勤める20~60代の計2,000人を対象に、「インターナル・ブランディング®調査2026」を実施しました。2023年に続く4回目となる今回は、20代の1,000人を追加し、会社へのエンゲージメントと、仕事での活躍実感(本リリースでは「やれてる感」と表記)、働き続けたい気持ちとの関係を分析しました。近年、すぐに転職するつもりはないものの、将来の転職に向けて積極的に情報収集を続ける「ゆる転職層」という考え方も広がりつつある中、今回の調査では20代の高エンゲージメント層でも33.6%が転職を検討していることが分かりました。本リリースでは、追加調査した20代1,000人の結果を紹介します。

エンゲージメントとは、企業と社員の絆を表すものです。本調査では、「信頼」「愛着」「誇り」「貢献」の4つの観点から測定し、 「自社を信頼している」「自社に愛着を感じている」「自社に誇りを感じている」「自社に貢献したい」の全てに「とてもそう思う」または「まあそう思う」と回答した人を「高エンゲージメント層」としています。
インターナル・ブランディング®モデル

「インターナル・ブランディング®調査2026」は、上図のインターナル・ブランディング®モデルに基づいて設計されています。
「インターナル・ブランディング®」は、株式会社電通PRコンサルティングの登録商標です。
20代ビジネスパーソンの会社へのエンゲージメントを調査
約4割が高エンゲージメント=会社好き
従業員300人以上の株式会社に勤める20代のビジネスパーソン1,000人を対象に調査しました。
前述の4つの観点について、4項目とも「とてもそう思う」と回答した「極めて高いエンゲージメント層」は5.9%となり、4項目とも「とてもそう思う」または「まあそう思う」と回答した「やや高いエンゲージメント層」 (33.7%)と合わせて、「高エンゲージメント層」は39.6%でした[図1]。


20代ビジネスパーソンに現在勤めている会社への勤務意向を聞くと、「できるだけ早く転職したい」が13.3%、「いずれは転職したい」が33.2%で、計46.5%に転職意向がありました。これを高エンゲージメント層で見ると、「できるだけ早く転職したい」が8.3%、「いずれは転職したい」が25.3%、計33.6%が転職を検討しています[図2]。20代全体よりも低いものの、高エンゲージメント層でも3人に1人は、会社への前向きな思いと転職意向が併存していることが分かりました。

将来を見据えて転職を考える「ゆる転職層」という考え方が広がりつつある今、会社が好きでも転職を検討する20代がいます。「会社が好き」と「定着」は必ずしもイコールではないようです。そんな20代の定着のカギを探りました。20代全体で、仕事の成果や役割の達成など現在の働き方に関する5項目と、継続勤務意向との関係を分析したところ、最も強い正の関連が見られたのは「この会社で自身の強み・能力を十分に発揮できている」、つまり「やれてる感」でした[図3]。
今回調べた5項目では、強みを生かせている「やれてる感」が、働き続けたい気持ちと最も強く関連していました 。

●表の見方…上記は重回帰分析を行い、標準偏回帰係数の値を基に記載。βは、項目を同じ尺度で比べた「関連の強さ」です。p値が0.05未満の5項目で正の関連が確認されました。
[分析方法]
回帰分析とは、ある結果(目的変数)に対して、どのような要因(説明変数)がどの程度影響を与えているかを数式で表す統計手法で、要因(説明変数)が1つの場合を単回帰分析、2つ以上の場合を重回帰分析と呼びます。
標準偏回帰係数とは、全ての変数の単位をそろえて計算した係数で、β(ベータ)で表されます。値が大きいほど結果(目的変数)に対する影響力が強い(重要度が高い)と判断します。

自分が勤める会社を「温かい」「挑戦的」「規律を大切にする」などの言葉で表せるか。ここでは、社員が自社の文化をどのように捉えているかを調べました。50以上の言葉から自社に当てはまるものを選んでもらい、その回答を「家族文化」「官僚文化」「マーケット文化」「イノベーション文化」の4タイプに分けて整理しました[図4]。
自社にいずれか当てはまる言葉を選び、「やれてる感」がある人(「この会社で自身の強み・能力を十分に発揮できている」と答えた人)の割合は、どの企業文化も6割台(63.0~67.8%)でほぼ変わりません。
一方、企業文化が「特にない/わからない」と答えた人では33.3%と、企業文化を認知している人の割合と比べて半減しています[図5]。また、いずれか当てはまる言葉を選び、「今後も自社で働き続けたい」と答えた人の割合(62.3~67.1%)も、「やれてる感」がある人とほぼ同じ割合で、企業文化が「特にない/わからない」と答えた人では、42.3%と低くなっています[図6]。
どの企業文化がというよりも、「自社にはこういう文化がある」という 「自社らしさ」の実感が、「やれてる感」である強み・能力の発揮と、「働き続けたい」と思う継続勤務意向につながっていくと考えられます。




インターナル・ブランディング®は、2003年に当時の電通パブリックリレーションズ(現・電通PRコンサルティング)が商標登録した、「組織内部で課題を共有化し、一つのビジョン(目標)に向かって、同じ意識で一体となって行動していくことにより、人々を引きつけるパワーを生み出し、組織の価値を高めること」でブランディングする、という考え方です。この考え方とこれまでの実績、さらに「インターナル・ブランディング®調査」の結果をベースにして、新たに「インターナル・ブランディング®モデル」を開発しました。
このモデルは、エンゲージメント※を強化するキードライバーが「理念」であり、それを下支えする要素として、「Working Condition」「Motivation」「Relation」の3つがある、という考え方に基づいています。
※ 「エンゲージメント」とは企業と社員の絆を表し、本調査では、「信頼」「愛着」「誇り」「貢献」で定義しています。
「インターナル・ブランディング®調査2026」調査概要
■調査手法:インターネット調査 ■調査対象:20歳~69歳・全国
■有効回収サンプル数:2,000サンプル うち20〜60代1,000サンプルは時系列比較用に過去調査を踏襲
今回新たに深掘り分析用に20代1,000サンプルを追加で回収
従業員数300人以上の株式会社の勤務者(2023年の前回調査では上場企業勤務者に限定、今回調査では上場企業限定を解除)
■調査実施期間: 2026年5月15日(金)~2026年5月21日(木)
※リリース内のデータは小数点以下第2位を四捨五入しています。数値の差分を計算した場合などは、記載している数値とズレが生じる場合があります。
企業広報戦略研究所 Corporate communication Strategic studies Institute : 略称C.S.I.
企業経営やPR/広報の専門家(大学・研究者・実務者など)と連携して、企業価値向上に向けた戦略・体制などについて調査・研究を行う電通PRコンサルティング内の研究組織(2013年設立)。
<お願い> 本調査内容を転載・引用する場合、転載者・引用者の責任で行うとともに、当研究所の調査結果である旨を明示してください。
【リリースに関する問い合わせ先】
株式会社電通PRコンサルティング広報部
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