株式会社電通パブリックリレーションズ(本社:東京都港区、代表取締役社長執行役員:畔柳一典、以下電通PR)が、公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会(略称:日本PR協会)が主催する「PRアワードグランプリ2019」において、ゴールド1、シルバー2、ブロンズ3の計6賞を受賞しました。

ゴールドを受賞したのは、株式会社電通(以下、電通)とともに取り組んだ、株式会社西武ライオンズの「埼玉西武ライオンズ×英国オックスフォード大学 『SAVE LIONS(セーブライオンズ) ~消えゆく野生のライオンを救うプロジェクト~』」です。また、シルバーで2プロジェクト、ブロンズで3プロジェクトが選ばれました。

「PR アワードグランプリ」は、優れたPR事例を選考・顕彰することで、PRの普及と発展に寄与することを目的に、日本PR協会が主催する業界賞で、今年のエントリー数は75件でした。

当社が受賞した、6プロジェクトの詳細は以下のとおりです。

なお、当社がPRをサポートした、大塚製薬株式会社の「最新のAIテクノロジーを活用、親子が楽しく食や栄養について学べるアプリを通じた食育活動」もシルバーを受賞しました(エントリー社は大塚製薬)。

 

「PRアワードグランプリ2019」ゴールド

埼玉西武ライオンズ×英国オックスフォード大学
「SAVE LIONS(セーブライオンズ)~消えゆく野生のライオンを救うプロジェクト~」

受賞プロジェクト:埼玉西武ライオンズ×英国オックスフォード大学
「SAVE LIONS(セーブライオンズ)~消えゆく野生のライオンを救うプロジェクト~」
エントリー会社   :電通、電通PR
クライアント名   :株式会社西武ライオンズ
エントリー部門   :ソーシャルグッド

今年創設70周年を迎えた埼玉西武ライオンズの球団シンボルである「ライオン」は今、絶滅の危機に瀕している。直近20年で半減、100年前と比べると8割も減少し、現在世界に生息しているのは約2万頭のみ。このままのペースで減少を続けると、球団創設100周年を迎える頃には、球団のシンボルである「ライオン」が地球上から消えてしまう。そのような背景から、これからも「ライオンズ」がその名を轟かせ、成長していけるように。「ライオンズを“応援”することが、ライオン“保全”にもなる」、そんなソーシャルアクション「SAVE LIONS〜消えゆく野生のライオンを救うプロジェクト〜」の実施が決定。ホームラン1本ごとに1万円を寄付する活動を今シーズンからスタートした。また、プロジェクトを世界的に広げ、1頭でも多くのライオンを救うべく、長年ライオン保全活動に取り組み、世界的な権威と豊富なネットワークを持つ英国オックスフォード大学と連携し、国内外にアプローチ。さらに、より多くの企業/団体がプロジェクトパートナーとして参画できるよう、本プロジェクトの名称やロゴなどのリソースを自由に使用することができる仕組みも構築。その結果、国内外の民間企業10社に加え、欧州/アジア/アフリカの「ライオンズ」と冠するスポーツチームに「ライオン保全活動」の輪が拡大した。

 

「PRアワードグランプリ2019」 シルバー

資生堂 AgDEO24(エージーデオ24):『ストレス臭』でコモディティ化した制汗剤市場を新規開拓!

受賞プロジェクト:資生堂 AgDEO24(エージーデオ24):
『ストレス臭』でコモディティ化した制汗剤市場を新規開拓!
エントリー会社  :電通、電通PR
クライアント名  :資生堂ジャパン株式会社
エントリー部門  :マーケティング・コミュニケーションズ

長年、基礎研究を重視してきた資生堂は、1999年の「加齢臭」発見に続き、2018年にストレスや緊張下で発生する「ストレス臭」というニオイの成分の特定に成功。そして、ストレス臭を包み込んで嫌なニオイを目立たなくするSTアンセンティッド技術を開発し、「エージーデオ24」の新製品へ応用した。日本の制汗剤市場は男性向け商品の拡大に加え、例年の猛暑で、毎年多様な汗・ニオイケア商品が登場し、コモディティ化している。このようななか、季節に左右されず1年を通して感じる「ストレス臭」のケア新商品「エージーデオ24」で、19年春夏期の制汗剤市場においてストレス臭の市場の開拓を目指した。そのためには、「ストレスってニオうんだ」というメッセージを世の中ゴト化し、聞き慣れない「ストレス臭」という新たな言葉の定着を「ストレス臭」の発表のタイミングである2018年10月から2019年1月末の発売までの短期間で行う必要があった。これらに対してさまざまな施策を通じて新知見の話題最大化を図りながら、「ストレス」というネガティブな要素のため、SNSなどで語られる文脈にも常に留意し、攻守のブランドPRマネージを2018年6月~現在まで継続運用。日本の制汗剤市場における新たな「ストレス臭」市場開拓を行うことができた。

社会人のための飲み会平和化プロジェクト「チーム“ビール”ディング」


受賞プロジェクト :社会人のための飲み会平和化プロジェクト「チーム“ビール”ディング」
エントリー会社  :電通、電通PR、電通デジタル
クライアント名     :株式会社ヤッホーブルーイング
エントリー部門     :
コーポレート・コミュニケーションズ

ヤッホーブルーイングは、国内最大手のクラフトビール製造会社。同社は、クラフトビールが従来の形式にとらわれず自由なスタイルで楽しまれるように、フラットで自由な飲み会がもっと広がれば、昨今の飲み会が抱える問題にもポジティブにアプローチできるだけでなく、よいチームづくりが実現できると考えている。会社における上司と部下の飲み会も、上下関係をなくし自由に会話することで、お互いの価値観や考え方を知ることができ、それがよい仕事にもつながる。そこで、飲み会でわずらわしく思われがちな「先輩風」を、AI解析による先端のテクノロジーで見える化させることでユーモラスに啓発するマシン『先輩風壱号』を独自開発した。マシンについているマイクで先輩風(先輩ワード検出、会話内容解析、音声感情解析)の強さを自動解析し、ファンで本物の風を段階的に吹かせる仕組み。同社はコンセプトムービーを8月3日の世界ビールデーに公開、店舗に『先輩風壱号』を設置した。このユニークな取り組みは大きく報道され、15の企業および団体から貸し出しの要請があるなど、関心の高さを伺わせるプロジェクトになった。

「PRアワードグランプリ2019」 ブロンズ

若年層ファン化/社会問題の喚起へとつなげる、B2B企業の挑戦『LOVE米プロジェクト』

受賞プロジェクト:若年層ファン化/社会問題の喚起へとつなげる、B2B企業の挑戦『LOVE米プロジェクト』
エントリー会社   :電通、電通PR
クライアント名   :株式会社クボタ
エントリー部門   :コーポレート・コミュニケーションズ

明治期の国産初の水道管の開発に始まり、農業機械による食料増産と省力化など、食料・水・環境分野の課題解決に取り組んできたクボタ。しかし、その事業特性から若年層との接点をうまく作れずにいたことから、若年層の関心の高い「企業の社会的存在意義(社会貢献)の提示」と「ソーシャルメディアの活用」によるコミュニケーションを検討。クボタの使命が「農業を支える一人ひとりの生産者の課題解決に貢献すること」であることから、日本の代表的な農作物である「米」をテーマに、「クボタのお米や生産者への想い」を「愛=LOVE」と表現した『クボタLOVE米プロジェクト』と、このプロジェクトを命名。米の消費量や生産を支える農家の減少などの課題や米の名前や効能などのトリビアを、「LOVE米=ラブコメ」にちなみ、人気の“ラブコメ(ラブコメディ)”マンガのシーンを、一粒ひとつぶごとに「愛をコメ(込め)て刻印」し、お米が食べたくなるオリジナルストーリーを“コメ(コマ)撮り”した動画「米米米米(べいまいべいべー)」として、人気アーティストによるオリジナルラブソングに合わせ発信。さらに「米の豆知識」などの情報をSNSアカウント「ライスタグラム」を通じて発信し、クボタのお米への愛を可視化。Twitterを核としたB2C2Cのコミュニケーションを展開することで、若年層のエンゲージメントを高め、さらに米に対する議論の創出にも寄与した。

くら寿司「天然魚プロジェクト」の挑戦 ~サスティナブルな漁業のビジネスシステム構築を目指して~


受賞プロジェクト:くら寿司「天然魚プロジェクト」の挑戦   
~サスティナブルな漁業のビジネスシステム構築を目指して~
エントリー会社   :電通PR、アド電通大阪
クライアント名   :くら寿司株式会社
エントリー部門   :ソーシャルグッド

くら寿司は全国442店舗を展開する大手回転すしチェーン。「気軽にお寿司を楽しめる価格で提供したい」という創業者の田中邦彦社長の思いから一皿100円にこだわる。強力な競合他社との競争力優位を示すために、国内外から新鮮かつ様々な種類の魚を仕入れている。そんな中、世界的な空前の魚食ブームが影響し、魚価の高騰はもちろん「数十年後には日本で魚が食べられなくなる」と言われ、一皿100円での提供維持が困難な状況に。一方で国内の漁業事業者は高齢化と後継者不足により、次々と廃業していた。これを解決すべく2010年から始まったのが「天然魚プロジェクト」。全国で商業流通する天然魚は、実際に収穫される1/10以下といわれるが、「収穫しても商業的に流通しない近海魚」の活用にチャレンジ。2015年に福井県鷹巣漁港の漁船と初めて年間契約、取った魚を全て買い取る(一船買い)試みをスタートし、「規格に合わない」「調理が難解」「鮮度が落ちやすく運搬できない」などの理由で市場に流通しない(価格のつきにくい)魚を商品化する仕組み作りで漁業事業者をサポート、生活者においても「20年後も変わらず、子供たちが美味しいお寿司を食べられる未来」を実現すべく、くら寿司の事業継続、漁業事業者の経営安定化、安くて美味しい寿司を継続的に食べられる生活者の食環境という“三方よし”に向けての挑戦を開始・継続している。

洗っても蘇るイヤなニオイ「ゾンビ臭」をやっつけろ!『トップ クリアリキッド抗菌』


受賞プロジェクト :洗っても蘇るイヤなニオイ「ゾンビ臭」をやっつけろ!『トップ クリアリキッド抗菌』
エントリー会社  :電通、電通PR
クライアント名   :ライオン株式会社
エントリー部門  :マーケティング・コミュニケーションズ

ライオンは液体洗剤のシェア拡大を狙い、洗濯物の3大ニオイ悩み(部屋干し臭・干し忘れ臭・戻り生乾き臭)に有効な「トップ クリアリキッド抗菌」を開発。しかし、洗剤市場とニオイ悩みはコモディティ化しており、この商品の優位性を理解してもらうのが難しかった。そこで同社は、洗濯物の3大ニオイ悩みの共通点「洗っても蘇ってしまうこと」、そして、新たに研究で判明した「感染しやすい」というデータから、3つのニオイを「ゾンビ臭」と新たな愛称で呼ぶこととし、洗濯物のニオイ悩みについて生活者に議論してもらうことを狙った。「ゾンビ臭」への関心喚起と、ライオンと「トップ クリアリキッド抗菌」のイメージの紐づきを課題に、企業資産を活用した世間での話題化を図るコンテンツ作りと、複数社のKOLを巻き込み理解促進を図る科学的根拠のある情報提供を、オンライン・オフラインで多角的に展開。ニオイに対しての関心が1年で最も増える梅雨を狙った本取組みは、「あのニオイってゾンビ臭だったのね!あるある!」と、特に洗濯したにも関わらず蘇るニオイを、家族から指摘された経験のある生活者から支持された。TVCM出稿がない中でソーシャルメディアを中心に話題になり、その反響はテレビ11番組で紹介されるなど、「ゾンビ臭」の概念が世の中に流通した。結果、「トップ クリアリキッド抗菌」はゾンビ臭対策の代表商品となり、液体洗剤市場のライオンのシェア拡大に成功した。


株式会社電通パブリックリレーションズ
電通PRは1961年の創立以来、国内外の企業・政府・自治体・団体の戦略パートナーとして、レピュテーション・マネジメントをサポートしています。総勢290人の社員が、データ分析、そしてそこから得られたインサイトに基づくコンテンツ開発と最適な情報流通デザインを通して、クライアントの「社会との対話力」強化に取り組んでいます。2009年および2015年には、日本国内で最も優れたPR会社に贈られる「ジャパン・コンサルタンシー・オブ・ザ・イヤー」を受賞し、2018年には、The Holmes Reportから「北アジアPRコンサルタンシー・オブ・ザ・イヤー」を授与されています。