「ミニコラム 海外ニュース」では、海外のPR・マーケティングに関する情報をピックアップし、ご紹介していきます。


 

英Chartered Institute of Marketing(CIM)が、昨年10月に発表した調査によれば、サステナビリティ・マーケティング(持続可能性に関するマーケティング)に関するレギュレーションが厳格化される中、マーケティング担当者の約半数(49%)は、自社や顧客が「グリーンウォッシュ(greenwashing)」と非難されることを恐れ、サステナビリティ・マーケティング・キャンペーンに取り組むことに慎重になっていることが分かりました。この調査は英国のマーケティング担当者210人を対象に実施されたものです。

一方、マーケティング担当者は、自社や顧客の半数以上(55%)が持続可能性をビジネス上の優先事項として認識しており、51%が気候変動によって自社や顧客の存続が脅かされる可能性があると回答しました。

スキルギャップ
マーケティング担当者の5人中2人(40%)は、能力をもちたいとしつつも、持続可能性に関するマーケティングの能力がないと回答しており、スキルギャップがあることが判明しました。正式なトレーニングを受けていないと回答した一方で、4分の3(76%)は、過去5年間に持続可能性に関する仕事に携わったことがあると答え、約半数(45%)は、自社や顧客の持続可能性に関する情報を発信しなければならないというプレッシャーを感じています。

ではグリーンウォッシュを避けるにはどうすればよいでしょうか?

グリーンウォッシュを避けるためのキーポイント

何がグリーンウォッシュになるのか、どのようにすればグリーンウォッシュを避けられるのかなど、専門家を招き、学ぶ機会をつくっていくことがまずはキーとなります。
電通グループでは、グリーンウォッシュを含む、SDGsウォッシュを避けるためのガイドラインを作成しています。

そしてPRキャンペーンを行う際は、キャンペーンを実施すること自体を目標にするのではなく、そのキャンペーンがどのようにインパクトを出し、そのインパクトをどのように世の中に示すか、計画段階から測定可能なゴールの設定を行うことが重要となるでしょう。PRキャンペーン終了後に効果測定を行うことをあらかじめ予定し、組み込むことをお勧めします。

*greenwashingとは、環境への配慮、環境保護に取り組んでいると世間に思わせるために大げさな情報を公表したり、偽りの情報を流布すること。または、ある側面では環境保護に取り組んでいても、別の側面で環境負荷をかけていること。

CIMによるプレスリリース:
https://www.cim.co.uk/newsroom/release-49-of-marketers-wary-of-sustainability-ads/

電通PRコンサルティング 藤井京子