企業広報戦略研究所(電通PRコンサルティング内)は、2024年11月10日に開催された、日本広報学会「第30回研究発表全国大会」において、事前の学会審査を通過した3本の研究成果について口頭発表を行いました。

 

 

❶重要性高まる「非財務情報」。広報コミュニケーションにおける課題とは。
――企業側、個人投資家側のそれぞれのポイントを分析する――
発表者:増田勲、阪井完二

❷魅力度ブランディング調査2024
――企業魅力の上がる/下がる要因に関係性に関する考察――
発表者:末次祥行、増田勲

❸企業の価値発信の状況を継続的にモニタリングした調査から企業の広報活動の
変遷と課題を分析
――2024 年 第6 回企業広報力調査から――
発表者:戸上摩貴子、増田勲

それぞれの発表ポイントを記載いたします。

 

重要性高まる「非財務情報」。広報コミュニケーションにおける課題とは。

企業側、個人投資家側のそれぞれのポイントを分析する

個人投資家と、企業533社にご回答頂いた調査結果に基づき、非財務情報の発信について分析結果を報告しました。

 

 

 

 

さらに、重回帰分析の結果、因子④(エンゲージメント)が魅力(ブランド)・経済的価値・社会的価値の全てで関係するとの分析結果も報告しました。

 

 

学会参加者からは「自然資本の発信をかなりしてきたが、あまり個人投資家に響いていないのはなぜか?」「日本の個人投資家と海外の個人投資家の着眼点の違いは?」など活発なご質問を頂きました。

 

魅力度ブランディング調査2024

企業魅力の上がる/下がる要因に関係性に関する考察

 

 

当研究所が独自に開発した「魅力度ブランディングモデル」に基づき、生活者1万人に調査を実施(2016年より継続実施し、今年で9回目)。
「企業に魅力を感じる/魅力が下がる要素」の差分を分析した結果では次のような傾向が見られたことを報告。

 

 

また、生活者が不信感を持つ企業リスクは、「コミュニケーション要因」「製品・サービス要因」「外的要因」の3つの因子で説明できるとした分析結果も発表しました。

 

 

参加者からは、「業種別に生活者が感じるリスクに傾向があるのか?」「性年代や接触メディアによる魅力やリスクへの感じ方の違いは?」など多数のご質問を頂きました。

 

企業の価値発信の状況を継続的にモニタリングした調査から企業の広報活動の変遷と課題を分析

2024 年 第6 回企業広報力調査から

発表者:戸上摩貴子、増田勲

最後に、「価値づくり広報モデル」を使用した、上場企業533社の広報責任者様からの回答結果についての分析結果を発表しました。

 

 

全体傾向としては、広報活動の実態を生み出す「ファクト力」や、社会的影響を測定する「インパクト評価力」に課題があることが判明。

 

 

さらに、詳細分析において、広報活動が活発な企業群においては比較的「インパクト評価」に着手できているものの、Aクラス以下においては急激に実施率が下がる傾向がみてとれ、広報のアウトカム測定に大きな課題が見られました。

 

 

参加頂いた企業からは、「広報の社会的影響を測定するインパクト評価力をどのように設定すべきか?」「アウトプットではなく、アウトカムの数値化のポイントは?」などについてご質問を頂戴いたしました。

本発表の内容や投影資料に関してご関心・ご質問のある方は、企業広報戦略研究所(メールアドレス:info-csi@dentsuprc.co.jp)までお問い合わせください。