2016年7月、18歳以上が初めて選挙権を得た国政選挙が行われました。この参議院選挙で、東京大学橋元研究室、関西大学小笠原研究室、電通PRコンサルティングは、選挙期間中の情報接触や投票行動に関する共同研究を行いました。

本調査結果は、2017年3月発行の『東京大学大学院情報学環紀要 情報学研究・調査研究編』に掲載されました(「2016年参議院選挙における投票行動 ―選挙年齢引き下げで若者はどう対峙したか」)。

このたび、本調査を推進した東京大学の橋元良明教授に、改めて、10代有権者がどのような「政治関心」や「重視争点」「争点への態度」を持ち、その傾向が接触メディアによって異なるのかについて分析いただきました。

分析結果から、10代の有権者は20代よりも若干高い「政治関心」を持つ一方で、性別や接触メディアによってその関心の高さが異なることも明らかになりました。また、「重視争点」と「争点への態度」についても、性別や接触メディアの影響が認められました。10代の若者が多く利用する「モバイルネット(スマートフォンまたは携帯電話)」については、「重視争点」と「争点への態度」への影響は認められませんでしたが、「新聞」接触の影響は、示唆される結果となりました。

 


 

10代の政治関心と重視する争点、争点に関する態度 ―2016年参議院選挙調査からの報告Ⅱ


東京大学大学院情報学環 橋元良明

2016年7月に、初めて18歳から19歳の10代に選挙権が与えられた国政選挙、参議院議員選挙が実施された。その際、筆者の研究室を中心に、選挙期間中の情報接触や投票行動について選挙前と選挙後の2回にかけてパネル調査を実施した※1※2。その結果から、とくに10代が選挙関連情報について、どのような情報源に接触し、どのメディアを有効と感じ、また信頼したかを分析したレポートを、電通PRコンサルティングのサイト上に「2016年参議院選挙における10代の情報行動」のタイトルで発表した(https://www.dentsuprc.co.jp/csi/csi-outline/20160920.html)。

今回は同じ調査から、次の項目に焦点を当てた分析結果を報告する。

(1)10代の政治関心

(2)10代の主な争点に関する重要度認識

(3)10代の主な争点に関する態度(賛否)

(4)10代の社会問題に関する知識度

以上の項目に関し、主に以下の3つの角度から分析する。

(a)他の年齢層との比較

(b)10代内での性別による差異

(c)10代における日頃の主なメディア利用(テレビ、テレビニュース、新聞閲読、PCネット利用、モバイルネット利用)の程度による差異

 

なお、本報告においては、基本的に上記の分析に関する結果を網羅的に羅列することは避け、統計的に有意差が示された結果を中心に記述する。

 

1.政治関心

図1-1

図1.1 年齢層別政治関心(折れ線グラフ)と調査での投票率(棒グラフ)

図1-2

図1.2 年齢層別内的政治的有効性感覚(ともに逆転項目)

政治関心を測定する尺度として、直接的な「政治問題に関心がある」という質問によるものの他、「自分たちは政治を理解している」「自分たちの力で政治はよくなる」等の質問による「内的政治的有効性感覚」、「政治家は自分たちに応えてくれている」「政治が変われば社会はよくなる」等の質問による「外的政治的有効性感覚」を測定する質問群がある。

今回、我々の調査では「政治問題に関心がある」の他、内的政治的有効性感覚として「政治は難しすぎて理解できない(逆転項目)」「我々が少々騒いだところで政治はよくなるものではない(逆転項目)」の各質問項目を設けた。

図1.1の折れ線グラフは直接的な政治関心の有無に関する回答比率の分布を示したものである(選択肢は「そう思う」「ややそう思う」「どちらともいえない」「あまりそう思わない」「そう思わない」の5択であるが、そのうち、「そう思う」と「ややそう思う」の肯定的回答の比率合計を示した。以下同様)。

政治関心の質問に対しては、通常、年齢層効果が強く、多くの調査では年齢層が下がるほど関心が低いという結果が示される。しかし、今回の調査結果では、「選挙年齢引き下げ」という新しい事態が社会的な注目を浴び、また18歳・19歳の当事者自身がそのことを意識し、かつ、高校や大学などで、投票を推奨する呼びかけやキャンペーンが催されたこともあり、10代の政治関心は20代・30代よりもむしろ高くなった。図1.1では、同時に、参議院選挙における調査上の投票率を示したが、その結果でも、政治関心度を反映して、10代の投票率は20代よりむしろ高くなっている。ただし、今後は、2016年度の選挙年齢引き下げによる初めての選挙ほど、10代の投票行動が社会的に注目を浴びなくなると考えられ、20代より10代において政治関心度が高く出るという現象がこれからの選挙でも持続するかどうかは疑問である。

図1.2は、内的政治的有効性感覚をネガティブな表現で表した質問(逆転項目)に対する年齢層別の回答分布である。「政治は難しすぎて理解できない」に関しては、10代が最も回答比率が高い。また、「我々が少々騒いだところで政治はよくなるものではない」についても、10代から30代の年齢層の低いグループが、ほぼ等しく高い回答比率を示している。つまり、「自分たちは政治を理解しており、自分たちの力で政治を変えることが可能である」という内的政治的有効性感覚は、10代においてかなり低いと言える。

図1.3 10代の政治関心、内的政治的有効性感覚の性別比較、メディアの利用時間別比較

 今回の分析では、18歳・19歳の調査対象者について、男女別およびメディア利用時間別の回答比率も比較した。メディア利用としては、「テレビ視聴時間」「テレビニュース視聴時間」「新聞閲読時間」「PCネット利用時間」「モバイルネット利用時間(スマートフォンまたは携帯電話)」の5つについて、ふだんの1日平均の利用時間をもとに、10代の回答につき、平均値により高低2群に分けた3

図1.3に示されるとおり、政治関心については男女で有意差があり、男性に比べ女性の関心が著しく低い。
また、利用メディア別では、「テレビニュース」「新聞」「PCネット」の3つについて有意差があり、テレビニュースを多く見る人ほど、新聞をよく読む人ほど、PCネットをよく使う人ほど政治関心が高いことが示された。「テレビ視聴」と「モバイルネット利用」は政治関心と有意な関連をもたなかった。

同様に図1.3に示されるとおり、内的政治的有効性感覚については、女性の方が「政治は難しすぎて理解できない」「我々が少々騒いだところで政治はよくなるものではない」と感じており、有効性感覚が低いことが示された。メディア利用別では、後者の質問に対し、テレビをよく見る人ほど、内的政治的有効性感覚が低かった。

 

2.重視する争点

調査では公示期間前(事前調査)と投票後(事後調査)の二度、今回の参議院選挙で重視する争点を質問している。12の項目を挙げ、複数回答、単数回答の2つの側面から回答を求めた。ここでは、事後調査の複数回答の結果を示す。

図2-1

図2.1 重視する争点(複数回答):調査対象者全体/10代、10代男性/10代女性
(男女別については危険率5%未満で有意差のあったもののみ)

図2.1の横棒グラフで最上段(青)は、調査対象者全体の回答比率、2番目(赤)が10代の回答比率を示している。「消費税引き上げ」「TPP協定」「東アジア外交問題」「沖縄基地問題」などは、全体平均より10代の選択比率の方が高いが、残差分析の結果、10代が他の年齢層に比べ、有意に選択比率が高いというわけではない。他の年齢層より有意に低い回答比率を示したのが「年金、医療、介護などの社会保障」である。やはり、10代にとって年金等の社会保障問題は遠い先の話であり、争点としてまだ重要視するものではないようである。

横棒グラフの3番目(緑)と4番目(黄)は、10代に限定して、男女で比較し、危険率5%未満の水準で有意な差があったものだけを図示したものである。「景気」「原子力発電所の稼働」「憲法改正」は、いずれも男性の方が女性より有意に回答比率が高い。とくに「原発」と「憲法改正」は、倍近くの開きがあり、政治関心度の高低を反映している。

図2.2 10代における主なメディアの利用時間の高低別にみた重要争点選択
(接触量の高低で有意差が示されたもののみ表示)

図2.2は上述した重要争点の選択において(10代限定)、メディア利用の高低で有意な差が出た項目をピックアップしたものである。テレビ視聴は「子育て支援」に関係しており、よくテレビを見る人ほど、重要な争点として回答している。メディア別では「テレビニュース視聴の高低」が5項目に関連しており、「消費税引き上げ」「TPP協定」「沖縄基地問題」「憲法改正」「集団的自衛権」のいずれにおいても、テレビニュースをよく見る人ほど、重要な争点として選択した。「新聞」については、よく読む人ほど、「雇用問題」「憲法改正」「子育て支援」を重要争点として認識する傾向が示された。「憲法改正」については、新聞によって、論調がかなり異なるが、いずれの新聞を読むにせよ、この問題を重要と認識するという結果が示された。ネット関連では、モバイルネットの利用は重要争点選択には関係が薄く、「PCネットの利用」に関し、よく利用する人ほど「消費税引き上げ」を重要争点として選択する傾向にあった。

3.主な争点に対する態度(意見の方向性)

図3.1 争点に対する態度(「賛成」+「やや賛成」):
調査対象者全体/10代、10代男性/10代女性(男女別については危険率5%未満で有意差のあったもののみ)

調査では事前調査において、主な社会的争点に対する態度(意見の方向性)も質問している。12の項目をとりあげ、「賛成」と「やや賛成」を合算した数値を、調査対象者全体(横棒グラフの青)および10代(横棒グラフの赤)の回答比率、さらに10代について、男女別で危険率5%未満の水準で有意差のあったもののみ示したのが図3.1である(男性が緑、女性が黄)。

まず、調査対象者と10代を比較すると、「消費税引き上げ」「原子力発電所の稼働」「選挙権年齢が満18歳に引き下げられたこと」の各項目において、調査対象者全体より10代の肯定的回答比率が高かった。このうち、「原子力発電所の稼働」と「選挙権年齢の引き下げ」については、年齢層別にみて最も高い回答比率を示している(ただし、残差分析の結果では、いずれも有意な差はない)。「原発の再稼働」に対して、10代が最も賛成率が高いというのは注目すべき結果である。

一方、「TPP推進」「年金、医療、介護などの社会保障の拡充」「憲法を変えること」「同一労働同一賃金」「米軍基地の撤廃」の各項目については、調査対象者全体より10代の肯定的回答比率が低かった。とくに「年金、医療、介護などの社会保障の拡充」に対する賛意は、年齢層別にみて最も低く、残差分析でも有意に低い値を示している。社会保障の拡充の主な対象は高齢者であり、若年層としては、自分たちの負担が増えることもあり、容易に賛成しがたい争点なのかもしれない。

社会的争点に対する態度については、ほとんどの項目で10代で男女別の差が大きかった(図示は危険率5%未満の水準で有意差のあったもの)。「TPP推進」「消費税引き上げ」「原発稼働」「憲法を変えること」「憲法9条改正」「同一労働同一賃金」「若い人がデモで意見を表明すること」「安全保障関連法」「選挙権年齢の引き下げ」の各項目については、女性より男性の賛意率が高かった。この中でとくに「憲法を変えること」「憲法9条改正」「安全保障関連法」について、おそらく自分たちとの関わりが大きく、場合によっては将来的に危険も伴いかねない男性が女性より、より高い賛意を示していることは注目すべきである。女性の方がより平和志向と言えるのかもしれない。

一方、「子育て支援策拡充」「米軍基地の撤廃」については、男性より女性において賛成する比率が高かった。

図3.2 10代における主なメディアの利用時間の高低別にみた争点に対する態度
(10代、比率は「賛成」と「やや賛成」の合算値、接触量の高低で有意差が示されたもののみ表示)

主なメディアの利用時間の高低によって、10代で態度に有意な差があったものをリストアップしたのが図3.2である。ネットへの接触に関しては、PC、モバイルともに,どの争点態度とも、接触量の高低で有意な差は見られなかった。テレビ視聴については、「年金、医療、介護などの社会保障の拡充」についてのみ有意差があり、よくテレビを見る人において賛成する人の比率が高かった。テレビニュース視聴については、「選挙権年齢引き下げ」についてのみ有意差があり、よくテレビニュースを見る人において賛成する人の比率が高かった。

新聞の接触量は、多くの項目で有意な差を導いており、「原発稼働」「憲法を変える」「憲法9条改正」「同一労働同一賃金」「若い人がデモで意見表明すること」「安全保障関連法」「選挙権年齢引き下げ」の各項目において、新聞をよく読む人において、賛成する比率が高かった。「憲法を変える」「憲法9条の改正」については、重要視する争点のところでも述べたが、新聞によって論調がかなり異なる。今回の調査では、よく読む新聞紙の名は質問していないが、結果として、新聞を読む人において憲法改正賛成という結果が示されたということは、憲法議論において安倍政権を支持する傾向の新聞を読んでいる10代が多いことを示している可能性がある。

 

4.社会問題に関する知識度

図4.1 社会問題に関する知識度
(正答率:調査対象者全体/10代、10代男性/10代女性、男女別については危険率5%未満で有意差のあったもののみ)

図4.1は、調査時点において、社会的に話題に上っていたいくつかの社会問題に関する知識度(正解率)を、調査対象者全員の平均(青)と10代の平均(赤)、10代において男女別の平均値(男性が緑、女性が黄。危険率5%水準で有意差のあったもののみ)を示したものである。

図に示されるように、調査対象者全員と10代の平均では、図の最後尾の「EU離脱に関する国民投票の実施国」と「2016年夏季オリンピック開催地」を除き、すべて全体平均に比べ10代の平均正答率が低かった。「サミット開催地」「次期アメリカ大統領候補」「三菱自動車への出資会社」「消費税引き上げ時期」については、年齢層別にみて最低である。この4項目については、残差分析の結果でも、他の年齢層に比べ有意に値が低かった。

また、知識度では、最後尾の2項目を除き、いずれも男女に有意差があり、すべて女性より男性の知識度が高かった。

 

図4.2 10代における主なメディアの利用時間の高低別にみた社会問題の知識度
(正答率:接触量の高低で有意差が示されたもののみ表示)

図4.2は、主なメディアの利用時間の高低別にみて、知識度に有意差のあったものをピックアップしたものである。メディアでは、テレビニュースの利用時間が多い人ほど安倍首相の前の首相の名前の正答率が高く、その他では新聞の閲読量だけが知識度と関連しており、新聞をよく読む人において、「安倍首相の前の首相の名前」「サミット開催地」「三菱自動車への出資メーカー」「消費税引き上げの時期」の各項目の正答率が高かった。

 

5.まとめに代えて

本稿では2016年の調査結果から、主に10代の政治関心、重視争点、争点に対する態度について報告した。

政治関心については、通常、年齢層が低いほど関心が低いという結果が出ることが多いが、今回の調査では全体平均より低いものの、20代よりむしろ若干高かった(図1.1)。これは選挙権年齢引き下げの最初の選挙であり、社会的にも10代の行動が注目されたり、学校で関連の講習会が開かれたりしたことが一因と考えられる。今後の選挙における10代における政治関心や投票行動が注目される。

政治関心については、10代でも男女差が非常に大きい(図1.3)。女性は男性に比べ、政治関心に関する設問への回答率がかなり低く、また内的政治的有効性感覚に関する回答率も低い。調査対象者全体で、「政治問題に関心がある」の比率は男性68.2%、女性48.5%であり、全体的にも女性の政治関心は低いが、10代の「関心あり」の選択比率の男女比1.6倍というのは、全体の男女比1.4倍よりも差が大きい。政治関心は投票率、さらには政治参加にも直接関係するものだけに、今後の男女格差の是正が問題となろう。

10代の政治関心とメディア利用との関連では、テレビニュースと新聞が大きく影響し、ともに接触量が多いほど関心度が高いという傾向が示された(図1.3)。

重視する争点で、他の年齢層より有意に低かったのが「年金、医療、介護などの社会保障」である(図2.1)。主に高齢者が対象の施策であり、自分たちとの距離を感じているのかもしれない。

10代の男女差では、「景気」と「憲法改正」がいずれも男性の選択率が高かった(図2.1)。また、メディア利用との関係では、テレビニュースと新聞が大きく影響しており、いくつかの項目で、それぞれへの接触量が多いほど、争点として認識する比率が高かった(図2.2)。

主な争点に対する態度については、他の年齢層と有意な差が示されたのは、重要争点選択と同様、「年金、医療、介護などの社会保障の拡充」であり、10代で賛成と答えた人の比率は低かった(図3.1)。高齢者を優遇する方向性の議論であり、自分たちが負担を強いられかねないことに反発を感じている可能性がある。

各争点に対する態度については、多くの項目で男女差が大きく、「子育て支援策の拡充」「米軍基地の撤廃」については、男性より女性の方が賛成の比率が高かったが,その他の項目についてはほとんどが男性の賛成比率が高かった(図3.1)。とくに「原発稼働」や「憲法改正」について、男性の賛成度が高いことは注目に値する。

争点に対する態度とメディア利用の関連では、新聞の影響力が非常に強く、ほとんどの項目で、新聞をよく読む人ほど、賛成する人の比率が高かった(図3.2)。今回の調査で、新聞をよく読む人ほど賛成の比率が低い、という項目は存在しなかった。ネット利用については、PCもモバイルも有意な関連をもたなかった。

概して、10代においては、女性より男性の方が、また新聞をよく読む人の方において、社会的争点に対する関心の度合いが高く、各争点に対して賛成を示す度合いが高いことが明らかにされた。ネット利用、とくに10代が長時間利用するモバイル利用については、重要争点の選択にも、争点に対する態度にも,まったく有意な関連はもっていない。おそらく、モバイルによるネット利用の中心をなすSNS利用において、若年層のやりとりの内容は、ごくたわいない近況報告やつながっていることの確認が多く、政治的問題について議論することがほとんどないことが背景にあると推察される。

 

<注釈>

※1 調査は東京大学情報学環橋元研究室と関西大学社会学部小笠原研究室、株式会社電通PRコンサルティングの共同研究の一環として実施した。共同研究のメンバーは筆者の他、小笠原盛浩(関西大学)、河井大介(東京大学情報学環)、長濱憲(電通PRコンサルティング)、吉田航(東京大学学際情報学府修士課程)の計5名である。また、本調査は電気通信普及財団平成27年度助成(テーマ「国政選挙におけるネット選挙運動の効果の比較研究」、代表:小笠原盛浩)および電通PRコンサルティングから研究資金の助成を得て実施された。

 

※2 調査の概要は以下の通りである。

調査は全国18歳から69歳までの男女1791人を対象としたネット調査である。事前調査は公示前の2016年6月20日から21日、事後調査は投票直後の2016年7月10日(20時以降)から12日にかけて、パネル調査として実施した。

サンプルの当初の割り当ては、10代(18歳・19歳)、20代~60代各300の計1800であり、そのうち、事前調査、事後調査の両方に回答した有効回収票は1791。このままのサンプル分布では、10代の比重が他の年齢層の5倍になってしまうため、全体集計の比率分布を計算する際、10代の度数分布を他年齢層との比較で5分の1になるよう調整した (「頻度によるウェイティング調整」)。その場合でも、全体の合計の値が最終的に1791になるよう重み付け計算をしている。

 

※3 10代の各メディア利用時間の平均値は次のとおりである。テレビ視聴127.5分、テレビニュース視聴39.8分、新聞閲読9.0分、PCネット利用68.6分、モバイルネット利用137.7分。なお、中央値で二分するという考えもあるが、新聞閲読などは中央値が0分になり、うまく二分することができない。

プロフィール

c376e808f320f459ea48e50a239e07a7橋元 良明(はしもと よしあき)
東京大学大学院情報学環・教授

1955年京都市に生まれる。1978年東京大学文学部心理学科卒業。1982年同大学大学院社会学研究科修士課程修了。
現在、東京大学大学院情報学環教授。専門分野は、コミュニケーション論、社会心理学。

所属学会は、日本マス・コミュニケーション学会、社会情報学会(前会長)、社会言語科学会(前会長)、情報通信学会。

【主な著書】
・『メディアと日本人―変わりゆく日常』(岩波新書)
[以上、単著]

・『日本人の情報行動2015』(東京大学出版会)
・『日本人の情報行動2010』(東京大学出版会)
・『メディアコミュニケーション論Ⅰ』(北樹出版)
・『メディアコミュニケーション論Ⅱ』(北樹出版)
・『メディア・コミュニケーション学』(大修館書店)
・『講座社会言語科学 メディア』(ひつじ書房)
・『ネットワーク社会』(ミネルヴァ書房)
[以上、編著]

・『ネオデジタルネイティブの誕生』(ダイヤモンド社)
[以上、共著]