スペインのバルセロナと言えば、一年中陽光が燦燦(さんさん)と降り注ぎ、温暖な気候で雨や風などに見舞われることなどほとんど無い。というのは、無知に基づく勝手な思い込みでした。
 しかも、乗り継ぎ便が2時間以上遅れ、空港に着いてもなかなか荷物が出てこず、外に出たら出たで雨風で寒々とした空気にさらされ、そんなこんなで宿泊先にたどり着いたのが深夜の2時。眠りについたのが3時。という、事前イメージと全く懸け離れた、バルセロナ出張初日でした。
 翌日に予定されていたのは、国際PR協会のアワードの授賞式。当社の松尾社員がメンバーの1人として携わった仕事が、受賞の栄に浴しました。
 ちなみに、本年の最高位に当たるグランプリを受賞したのは、Call Russiaキャンペーンです。これは、ウクライナ侵攻に関する正確な情報がロシア国内で乏しいことに対抗して、世界中に散らばる人の力を活用しようというアイデア。
 具体的には、4000万のロシア国内の電話番号を5日の間国外のロシア語を話せる人たちに共有して、その人たちに国際電話をかけてもらい、その口から正確なニュースを話してもらおうというもの。アワードのプレゼンテーション映像では、電話で話しながら涙を流す人の姿も多く見られました。
 時節のテーマ性といった観点からも、文句無しのグランプリだと思います。加えて、コミュニケーションの力で世の中をより良い方向に(少しでも)動かしていく、というパブリック・リレーションの本分にも見事に合致した素晴らしいキャンペーンだと思いました。
 会長のアン=グレット曰く、「パンデミックを経た後の再会で、楽しさとプライドとチームスピリットにあふれる雰囲気の夜になりました」とのこと。
 アットホームな雰囲気を伴う授賞式に集う27カ国140人の出席者たちも、改めて、自分たちの仕事が世界を変えることすらできるという、確かなポテンシャルを共有した瞬間だったのではないでしょうか。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

左写真:授賞式で国際PR協会の会長アン・グレット氏と
右写真:電通伊豆原氏(中央)と当社松尾社員(右)と