「刑事コロンボ」といえば、1968年から1978年にかけて放送された、アメリカの傑作刑事ドラマシリーズです。名優ピーター・フォークの主演で、独特過ぎるキャラクター設定のせいもあり、一度見たら忘れられないこと必至です。
 後に、1989年から2003年まで新シリーズが制作されますが、それについてはまた後ほど。まずは、最初のシリーズの話です。
 無名時代のスピルバーグが監督を務めた「構想の死角」や、ファンの間では最高作との評価を得ている「別れのワイン」等々、込み入った事件の状況を天才的な洞察力で解き明かしていく様は痛快で、毎度毎度うならされるものばかりです。
 中には、現代では違法捜査に当たりそうなやり方もあるのですが、70年代のアメリカでは許されていたのかと思うと、それはそれで興味深いところです。
 もし1本だけお薦めをと言われれば、迷うことなく「二枚のドガの絵」を挙げます。とにかく、ラストの一瞬で犯人を落とすトリックが常人離れしていて、しばらく呆然とするぐらいです。
 そんなシリーズも一旦一区切り。約10年間のブランクを経て、新シリーズが始まります。さて、その仕上がりはいかに…。
 人気シリーズの復活ということもあって、見るからに予算が増え、仕掛けも大掛かりになり、映像的な処理も凝ったものになり、ゲストスターも豪華になったり、ということでしたが、ドラマ全体のテンションは残念ながら下がってしまいました。
 端的に言うと、脚本づくりの巧妙さに支えられていた作品の力が落ちたということです。もちろん、ピーター・フォーク演ずるキャラクターの魅力は衰えていないのですが、周りにいろいろと付け加え過ぎて、ドラマの芯の部分がぼやけてしまっているような、そんな印象です。
 それと比べると、「時効警察」は違います(突然、話が変わって済みません)。
 こちらも同じく、約12年のブランクを経て新シリーズが制作された日本のドラマです。オダギリジョーさん主演のカルト的な人気を誇る刑事(?)ものなのですが、個性派しかいない登場人物、何とも言えない独特の空気感と間合い、どこか憎めない犯人たち等々、ドラマの核心部分を大切にしたまま、復活を遂げました。といっても、2年ちょっと前の話ですけど。
 何が絶対に変えてはいけないところなのか、それを残したまま同時代的な要素をどれだけ組み合わせていくか。物事を構築していく際に大事なことに気付いたような気もしました。そんな大げさな話じゃないでしょ、と言われればそれまでですけど。

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