茨城県水戸市のコンサートホールに行ってきました。特徴的なシンボルタワーを中心に、磯崎新氏によって設計された、水戸芸術館の中にそのホールはあります。現在の館長は、小澤征爾氏。これだけで、ただの施設ではないという感じがしますね。
 実際のところ、こぢんまりとした規模でありながら、音響的にも雰囲気としても素晴らしく、また来てみたいと思わせるに充分な音楽空間でした。
 そして、さらにその印象を高めたのは、聴衆たちの品の良さ。楽器を抱えた若い人たちもちらほら見える中、全体としては割と平均年齢高め。男性は基本ジャケット着用。スーツの方もいらっしゃる。女性たちも、よそ行きの格好が基本で、着物姿がいくらも見られる。
 これが、徳川御三家城下町の文化度の高さなのか。
 実は、東京都心のコンサートホールでは、こういうわけにはいきません。バリっと決めた人たちの間に、スニーカー、ジーンズ、チェックのネルシャツ、果ては、上下ジャージーにサンダル履き。夏場はTシャツ短パン姿の人もいます。
 もちろん、それぞれの趣味趣向に基づいたファッションなので、とやかく言う筋合いではないというのは承知の上です。が、さすがにもう少し周囲との兼ね合いを考えた方が良いのではないか、と思うことが都心ではよく起こります。
 そもそも都会というのは、種々雑多な人間たちがひしめいている場所で、個々の文化性のばらつきが激しい場所です。それはそれで面白いところなのですが、街中の交差点ではなく、クラシック音楽専用のコンサートホールであることをお忘れなく、といったところでしょうか。
 水戸を訪れた際に、宮城県仙台市のことを思い出しました。あの街でも、人々の品の良さに感心したものです。地下鉄では、当然のことのように子供たちがお年寄りに席を譲り、大人数で乗車していても大声で話したりはしない。歩道橋ですれ違うときにも、さりげなく道を譲るそぶりを見せる。街の文化度の高さを実感したものです。
 仙台も伊達家の城下町。ある一定の法則がある気がしつつも、我が故郷熊本はどうかといいますと……ちょっと自信がありません。

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