第18回ショパン国際ピアノコンクール。開幕直前に、クラシックピアノ界の巨星マルタ・アルゲリッチが審査員を降りるというハプニングがありつつも、無事全日程を終了しました。
 ちなみに、アルゲリッチの審査キャンセルは、同じく審査員だった盟友ネルソン・フレイレが病欠のため困難な時期を共にする、という理由だそうです。
 さて、戻ります。結果はご存じの通り、反田恭平さんが2位、小林愛実さんが4位という、我々日本人にとっては大変喜ばしいものになりました。1位じゃないとダメなんじゃないですか? という声も聞こえてきそうですが、そこはその限りではありません。何しろ、現代最高のピアニストの一人である内田光子さんでさえ1970年大会で2位だったコンクールです(再びちなみに、アルゲリッチ師匠は1965年大会で優勝です)。
 全世界から151名参加の予備予選通過者78名に、予選免除の9名を加えた計87名から、1次、2次、3次と人数を絞り込んでいって、最終審査に残るのは12名。そのうちの2名が、反田さんと小林さんでした。予備予選から数えると、3カ月余りの長い闘いです。
 最終的に順位を競うコンクールなので、どうしても勝敗が分かれてしまうのですが、出場者の誰かがこんなことを言っていました。「競うことよりも、この場所で皆と演奏できること自体が喜び」。
 ショパンゆかりの地ワルシャワで、ショパンの音楽の神髄を自分なりの表現で披露する。確かに、演奏家にとっては、その舞台に立てるだけでも大いなる喜びなのかもしれません。
 同じ曲でありながら、各人各様にここまで違うのかと思わせる表現の幅に、聴く側も魅了されます。これを審査するというのも、絶対的にはあり得ない話で、どうしても相対性の範囲内での話になりそうです。
ともあれ、順位は付きました。それぞれの音楽家の明るい未来を切に願うばかりです。
 最後にちょっとしたエピソードを。今回予選免除されていた藤田真央さんは、何と何と、申し込みを忘れていたため出場できず、とのこと。アーティスト体質と笑ってやり過ごせるか、それとも、競う幸せを逃したのか、本人のみぞ知る、です。

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