企業は多種多様なステークホルダーに囲まれた大きなコミュニティの一メンバーであるということが、昨今の企業コミュニケーション活動の事例を見るとあらためて実感する。ステークホルダーの中には、企業活動への好感から、長期にわたり株主となる投資家もいれば、その企業の情報を集め、就職を志す学生もいる。また、定番商品の長期愛用者から、その企業との連携をもくろむ各団体・企業の人間もいる。

メディアの環境が多様かつオープンになった昨今、それぞれのステークホルダーの持つ影響力は徐々に差異が小さくなっている。このために、企業の偏ったコミュニケーション活動は思わぬ反撃者をつくることにもなりかねない。そう考えると、企業の大きなコミュニティメンバーの一員としてのふるまいを形づくるのは、既に広報・宣伝のセクションに限ることは難しくなっている。

企業としての志、社会に向かう姿勢といった普遍の価値の共有から、そのためのさまざななコンテンツや伝えるためのストーリーテリングなどが関連した複数の部署でつくられ続けること、また、その発信がトータルでマネジメントされることが重要となっている。

もはやコーポレートコミュニケーションは宣伝・広報の専業ではないのである。